デジタルPCR

ナノプレートdPCRアプリケーション

デジタルPCRで何ができますか?

貴重なサンプルを扱う場合でも、希少な変異の解析であっても、阻害物質を含むサンプルの研究でも、正確で再現性のあるデータがナノプレートdPCRで解析することができます。迅速な自動ワークフローにより、ばらつきが大幅に低減し、結果の一貫性が向上するだけでなく、操作が容易なため習得トレーニングに必要な時間はわずかです。

デジタルPCR、特にQIAcuityによるナノプレートdPCRは、何を問いどんな答えが得られるかを根本的に変えることで、研究に革命を起こしています。この方法は、これまでqPCRやその他のdPCR技術の制限によって妨げられていたアプリケーションに活力をもたらします。QIAcuityのテクノロジーが非臨床アプリケーションにどのような効果をもたらすかを以下でご覧ください。

デジタルPCRの臨床アプリケーションに興味がありますか?詳細はこちらをご覧ください。

希少変異検出(RMD)とは、野生型バックグラウンドのプールに非常に低頻度(1%未満または0.1%)で存在する配列変異体を検出することです。したがって、点変異や一塩基多型(SNP)などの稀なイベントを検出および定量するには、高感度で正確かつ精密な方法が必要です。ただし、非常によく似た2つのシーケンスがあり、一方のシーケンスの量が他方よりかなり多い場合、両者を区別するには困難を伴います。

希少変異の検出にナノプレートdPCRを使う利点
  • 多くのインプット量を反応液に添加し、26,000のパーティションにロードできるため、希少なターゲットを発見する可能性が大きく向上
  • 変異と野生型シークエンシングをマルチプレックス化して、大量の野生型バックグラウンド条件下でも、少量の希少変異分子を検出可能

干し草の山から針を探すという問題

リキッドバイオプシーで低頻度の変異を検出することは、干し草の山から針1本を見つけるようなものです。デジタルPCRは、このようなまれな分子を検出、定量し、特異的バイオマーカーの発見、早期の腫瘍検出、治療反応のモニタリングに新しい機会を提供します。簡単なワークフロー、優れたパーティショニング、独自のハイパーウェル機能を備えたナノプレートのQIAcuityデジタルPCRは、dPCRメソッドの優れた感度と精度を拡張し、非常に困難なサンプルであっても、変異体の1つのコピーを見つけることができます。

コピー数多型(CNV)分析では、個人ゲノム内の特定遺伝子のコピー数を決定します。遺伝子はゲノムごとに2つのコピーが存在することが知られています。しかし、この遺伝子は、場合によってはより多く存在することがあります。遺伝子増幅(がん遺伝子を活性化する)と欠失(がん抑制遺伝子を不活性化する)は、点変異、転座、逆位などのゲノム変化に加えて、がん関連遺伝子に影響を与える重要なコピー数変化(CNA)です。CNAの影響を受けるほとんどのがん関連遺伝子は、発がんとがんの進行に関与するがんシグナル伝達経路の重要な遺伝子と定義されています。CNVは、遺伝的多様性(遺伝子座の欠失や重複)の重要な源であり、一般的な神経疾患や自己免疫疾患、遺伝的状態、薬物の有害反応に関連する遺伝子の研究を可能にします。

CNV解析にナノプレートdPCRを使う利点
  • CNV数の1.2倍未満の変化を検出し、約2時間で結果を出力
  • 8.5KナノプレートではdPCR CNV解析の経済性とスループットレベルが向上し、26Kナノプレートによるマルチプレックス化や連続コピー数状態のより細かな識別が可能
  • QIAcuity Software Suiteを用いて、CNVの自動計算やカスタムアッセイの設計が可能

マルチプレックスデジタルPCRによる、ミトコンドリアおよびゲノムをターゲットとしたコピー数解析

培養細胞のターゲットコピー数を高スループットで解析するワークフローについて説明します。このプロセスでは、CellenONEが備える迅速性と正確な細胞選別を組み合わせることで、下流の反応で正確な細胞数が使われるようにします。サンプルの検出には、プローブベースのQIAcuityデジタルPCRシステムを使用し、マルチプレックス化により最大12のターゲットが1回のdPCR反応で得られます。最適化は最小限で済みます。このワークフローにより、dPCRで正確な絶対定量を行い、少ない存在量のターゲットだけでなくシングルセルレベルでのマルチコピーターゲットも解析できます。

Copy variation
dPCR CNVアッセイを独自にカスタマイズ
検出対象は特異性が極めて高いターゲットですか?カスタム設計ツールを使えば、ユーザー独自のdPCR CNVアッセイをほんの数分で設計できます。

リキッドバイオプシーは、液体生検または液相生検とも呼ばれ、血液を主とする非固形の生体組織のサンプリングと分析を行います。主に、がんなどの疾患の診断とモニタリングのツールとして使用されます。リキッドバイオプシーは、組織生検と比較してドナーに対する侵襲性が低くなります。腫瘍細胞が死ぬと、ctDNAが血中に放出されます。ctDNAのがん変異は、従来の腫瘍生検で見られる変異を反映しており、疾患追跡の分子バイオマーカーとして使用できます。課題は、血液中の腫瘍細胞由来のctDNAの濃度が低いことです。ゴールドスタンダードは、NGS、パイロシーケンス、または リアルタイムPCRを使用することでしたが、このようなメソッドの欠点は、LODの限界でした。腫瘍組織のパイロシーケンスは約10%、NGSは1~5%、qPCRは1%の検出レベルです。検出レベルの限界によって、ドナーの残存病変モニタリング中に、再発の問題が生じます。

リキッドバイオプシー分析にナノプレートdPCRを使う利点
  • QIAcuityナノプレート26Kには最大28 µlまでサンプルをロードすることができ、LODが高く、サブサンプリングエラーが最小限なので、より多くのデータポイントを生成し、遺伝子発現の小さな変化を確実に検出したり、残存病変をモニタリングしたりすることが可能
  • 超希少変異を0.01%の変異アリル頻度で検出可能
  • dPCR測定は増幅効率の影響を受けないため、全血や尿などの、未精製度の高いサンプルにも対応

dPCRを用いた、cfDNA からPIK3CA変異型の液体生検ベースの検出

このアプリケーションノートでは、cfDNAの超希少なPIK3CA変異型を確実に検出するQIAcuityデジタルPCRシステム の有用性について説明します。QIAamp 手動ワークフロー、自動核酸精製装置EZ2 とQIAsymphony ワークフローにより、最大10 mLの大量の血漿から、収率と純度の高いcfDNAが得られます。QIAGENの自動ワークフローでは、手動での事前濃縮やプレートの準備が不要です。さらに、dPCR定量とQubit定量の比較可能性と、dPCRがcfDNAのPIK3CA変異頻度を、高精度、低コスト、時間対効果がもたらされることが実証されました。

感染症や疫病の発生がますます増加していることから、微生物、特に病原体の検出と解析を改善する必要性が強調されています。公衆衛生と疫学において、病原体の検出とマイクロバイオーム解析の双方において、迅速性、高感度、正確性、絶対定量を兼ね備えた性能が不可欠です。デジタルPCRは迅速で感度と精度に優れた方法で、病原体やマイクロバイオームの同定、検出、特性評価、動態のモニタリングに非常に有益です。dPCRの微生物検出の応用分野は、食品中の病原体、薬剤耐性、微生物研究、抗菌剤耐性遺伝子の検査、ウイルス/細菌の宿主関係まで多岐にわたります。

微生物の検出にナノプレートdPCRを使う利点
  • 複雑なサンプルや阻害物質レベルが高いサンプルであっても、微生物サンプルの正確な絶対定量が可能
  • ナノプレート26Kは、多くのサンプル量(最大28 µl)をロードすることができるので、感度も高く、他の商用アッセイよりも低い検出限界でターゲットを検出することが可能
  • 微生物ターゲット(細菌、ウイルス、毒性因子、AMGなど)用のカスタム設計のアッセイや、カタログに収載の700を超えるアッセイから最大12のアッセイを選択しマルチプレックス化が可能

 dPCR による下水モニタリング

廃水や下水で、SARS-CoV-2、レジオネラ菌、サルモネラ菌などの病原体のスクリーニングを実施すると、疾病の集団発生を予測し、非常に重要な疫学データを得ることができます。しかし、下水は非常に不均一なため、このような混合サンプル内の希少ターゲットを同定できる方法が必要になります。dPCRの真価はここにあります。dPCRを用いた絶対定量なら、希少ターゲットでも検出可能で、PCR阻害物質の影響が軽減し、標準曲線も不要であり、下水中の病原体を容易に検出できます。

ウイルス量検査は、生物学的サンプル中の特定のウイルスの量を測定します。結果は、サンプル1ミリリットルあたりのウイルスRNAのコピー数として報告されます。ウイルス量検査は、急性ウイルス感染診断、治療法の選択ガイド、治療の反応モニタリングに使用されます。

毒性遺伝子検出にナノプレートdPCRを使う利点
  • ナノプレート26Kを使うと少量の遺伝子も検出できるため、サンプルあたりのパーティショニング数が増加し、ロードできる量も増やすことが可能
  • 微生物ターゲットとウイルスターゲットを両方解析することができ、目的の配列のみを検出する高い特異性を備えている
  • マルチプレックス化により、1回の反応で最大12のターゲットを正確かつ効率的に解析

蚊が媒介するベクター媒介疾患のdPCRによる同定と定量

ウエストナイルウイルス(Cat.no. DMA00455)とフランダースウイルスを運ぶ蚊が媒介した高濃度および低濃度のウイルスをQIAcuityデジタルPCRシステムを用いて検出・定量し、リアルタイムPCR(qPCR)による検出結果と並べて比較しました。QIAcuityデジタルPCRシステムとQIAcuity One-Step Viral RT-PCR Kitとを組み合わせることで、蚊のベクター由来ウイルスの正確な検出と定量が可能になり、特に低量ターゲットでは、qPCRより信頼性の高い結果が得られました。マルチプレックス化により、1回の反応で複数のターゲットの検出と定量が可能になり、結果として、サンプルのスループットが向上しターゲットあたりのコストが減りました。

デジタルPCRでは、アデノ随伴ウイルスベクターゲノム定量やレンチウイルスベクターコピー数測定、CAR-T細胞療法の開発と製造など、多様な遺伝子治療アプリケーションを行うことができます。この多様性は、効果的で再現性のある細胞・遺伝子治療を開発すると同時に、患者の安全を確保するために重要です。

ウイルスタイター測定

ウイルスタイター定量にQIAcuity dPCRを用いて、従来のddPCR法と同レベルの正確さと精度を確保するだけでなく、速度、全体のスループット、拡張性を向上させる方法について説明します。ウイルスベクターの溶解から残存DNAの定量ベクターベノムの定量ゲノムの完全性の判定まで、卓越した正確さ、再現性、速さを備えた完全なワークフローをご覧ください。

AAVタイターにナノプレートdPCRを使う利点
  • 専用キットを使用するとカプシドを効率的に溶解し残存DNAを除去できるため、一貫性を確保しつつ自信をもって最終タイターを決定することが可能
  • プロトコールは1つで、手動のステップを最小限に少なくしてあり、手作業に要する時間がわずか10分なので、エラーが減少し実施も簡単
  • さまざまな色素を組み合わせて10もの単一ターゲットアッセイをマルチプレックス化できるので、高い精度と柔軟性を実現。目的遺伝子(GOI)アッセイを使うと12プレックスまで拡張が可能
  • QIAcuityソフトウェアの先進的な機能により、最大12のターゲットを同時に検出できるため、ゲノムの完全性を正確に評価が可能

細胞・遺伝子治療の最も価値あるコンテンツを1カ所に集約

この分野専用のコンテンツハブをご覧ください。細胞・遺伝子治療にdPCRを用いることで、正確さ、速さ、利便性といった優位性がどのようにもたらされるかがわかります。最新のアプリケーションノート、科学ポスター、ウェビナーや動画で、高度な治療法をより早く市場に投入するうえでdPCRがどのように役立つかを知ることができます。研究からバイオ医薬品製造、品質管理(QC)に至るまで、細胞・遺伝子治療プロジェクトでのdPCRの多岐にわたる用途をご覧ください。

宿主細胞残存DNA(HCD)は、バイオ医薬品の製造工程中に混入します。許容レベルは、米国食品医薬品局や世界保健機関などの規制当局によって定められています。デジタル残存DNA定量キット は、複雑なバイオプロセスにおけるHCDの高精度の定量に最適です。遺伝子治療、治療用タンパク質、その他のバイオ治療薬の開発中に使用される一般的な宿主細胞には、ヒト胎児腎細胞293(HEK293)、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)、E. coliなどがあります。

宿主細胞残存DNAの定量にナノプレートdPCRを使う利点
  • 事前に混合されたマスターミックスと陽性/内部コントロールを使うことで、宿主細胞DNAのセットアップと検出が容易
  • PCRの汚染物質や阻害物質が存在する場合でも、E. coli、CHOおよびHEK293の残存DNAを、数フェムトグラムレベルまで正確に検出
  • マルチコピー種特異的なターゲットアッセイは、結果がresDNAの断片化レベルに影響されないことを保証
  • dPCR検証済みスタンダードを使用することで、定量精度の確認やブリッジング研究が可能

QIAcuityデジタルPCRプラットフォームを使用した、宿主細胞残存DNAの直接定量

宿主細胞の残存DNA(resDNAまたはHCD)のモニタリングは、タンパク質、ワクチンをはじめとするバイオ医薬品の製造工程で重要なステップです。HCDのキャリーオーバーの可能性は安全管理上の懸念事項であり、規制当局から厳しくモニタリングされています。この科学ポスターには、デジタルPCRが、テンプレートの存在量が少なくても、複雑なバイオプロセス中間体を卓越した感度と正確さで検出できること、デジタルPCRがresDNAの定量法として浮上してきた経緯が示されています。

バイオ医薬品産業でマイコプラズマは、細胞株に由来するバイオ製品の汚染物質です。マイコプラズマは、供給元の細胞株自体(細胞基質)による汚染、または生産工程での偶発的な混入により、細胞培養中に出現する可能性があります。汚染リスクに関するガイドライン、バイオ医薬製品の製造におけるマイコプラズマの安全性に関する技術文書が複数あります。

デジタルPCRを使用すると、細胞培養物などの細胞培養由来の生物製剤の汚染を検出できます。たとえば、QIAcuity Mycoplasma Quant KitはrRNAおよびDNA検出用のRT-dPCRキットであり、この方法によって検出感度を高めます。内部増幅コントロールを使用すると、PCR阻害物質、不適切なRNA抽出、不適切なRT反応により生じる偽陰性を防ぐことができます。プローブベースのアッセイにより、127種のマイコプラズマを定量化し、検出できます。

マイコプラズマ検出にナノプレートdPCRを使う利点
  • 規則に準拠:欧州、米国、日本の薬局方に準拠したマイコプラズマ試験向けのNAT(Nucleic Acid Technique)ワークフローに準拠
  • 迅速:時間のかかるマイコプラズマ培養が不要
  • 高感度:単一のバクテリア細胞内に複数のRNAコピーが存在するため、rRNAを検出することで、DNAのみを検出するより感度が高くなります(10 CFU/mL未満を検出)。このアッセイでは、RTステップを省略してDNAのみを検出できるため、高い柔軟性を備えています。
  • 検証済み:ワークフローは、包括的な検証レポートの一部として徹底的にテスト済みなので、ユーザー自身が検証する手間を削減できます。
  • 施設内での検証用に、または活性マイコプラズマの代わりとなる陽性コントロールとしてMycoplasma Standard CFU Kitを10種ラインナップ

遺伝子発現プロファイリングでは、2つ以上のサンプル間で複数の遺伝子の発現レベルを同時に比較します。この分析は、科学者が表現型の違いの分子的な根拠を確立し、詳細な研究のための遺伝子ターゲットを選択するのに役立ちます。遺伝子発現プロファイリングでは、正常な生物学的状態および疾患における差次的遺伝子発現の役割についての貴重な洞察が得られます。

遺伝子発現定量にナノプレートdPCRを使う利点
  • 特にテンプレートの量が少ない場合でも、わずかな変化を検出可能
  • インプット量に応じて、絶対濃度と1%未満の存在量で結果を検証できます
  • ナノプレート26Kでは、log5の高精度で高ダイナミックレンジを実現します。ナノプレート8.5 Kは、12 µlの反応でもランが実行できる経済性を備え、「類似する」発現ターゲット(最大で4倍の発現変動)をハイスループットオプションで対応します

スズメバチの遺伝子発現と細菌量の定量におけるdPCRとqPCRの比較

節足動物の遺伝子発現と細菌数の評価に、qPCRを用いる方法は既に存在します。qPCRは遺伝子発現解析に有益な方法ですが、参照マテリアルが必要であるという制約が存在します。このアプリケーションノートでは、ナソニア寄生バチの遺伝子発現とボルバキア属の存在量の定量におけるqPCRとdPCRの性能を比較します。

gene expression analysis

MicroRNA(miRNA)発現プロファイリングは、2つ以上のサンプル間で複数または単一のmiRNAの発現レベルを同時に比較します。この分析により、科学者はがんなどの疾患のバイオマーカーとしてmiRNAを特定し定量することができます。これにより、正常な生物学的状態と疾患におけるmiRNA発現の役割についての貴重な洞察が得られます。

miRNA発現解析にナノプレートdPCRを使う利点
  • dPCRの高い特異性により、シーケンスに密接に関わるmiRNA中の単一ヌクレオチドの違いを識別可能
  • 特にテンプレートの量が少ない場合でも、miRNA発現のわずかな変化を絶対定量

デジタルPCRを用いた、特定の細胞プールとシングルセルでのmiRNA解析

このアプリケーションノートでは、cellenONEとQIAcuityのテクノロジーの両者を組み合わせ、明確に特定した細胞プールおよびシングルセルレベルでmiRNAの絶対定量をハイスループットで行う方法について説明します。FastLane溶解緩衝液で手作業時間を短縮し、EGベースのケミストリーをQIAcuityで使用することで、大幅な最適化を実施することなくmiRNA解析が可能になった方法について説明します。cellenONEテクノロジーで細胞を選別してからQIAcuityでmiRNAを定量するまでのワークフローの全体を把握してください。RTおよびPCRインプットとして得る細胞の溶解物から、高感度で再現性のある線形定量を実現します。

マルチプレックスデジタルPCRのアッセイには、規制管理、品質保証、GMO検査、食品偽装の検出、食中毒モニタリングなど、食品産業向けの用途が数多くあります。これらのアッセイにより、ブタ、ラクダ、ヒツジ、ロバ、ヤギ、ウシ、ニワトリを1回の反応で識別するなど、動物の種を識別し、肉製品の原産地を追跡できます。また、GMO検査では導入遺伝子の定量にも使用され、qPCRよりも感度と再現性が高いことが研究で示されています。食品偽装を検出するため、dPCRアッセイは、ミトコンドリアおよび葉緑体DNAマーカーをターゲットとすることで、ベジタリアンやビーガン向け製品中の動物由来の成分を識別できます。さらにdPCRは、E. coli、L. monocytogenes、S. aureus、S. entericaなどの複数の病原微生物を効率的に同時検出し、食品の安全性と品質を確保します。

食品検査にナノプレートdPCRを使う利点
  • マルチプレックス化、および参照物質とサンプル間のマトリックスの違いによって引き起こされる増幅効率の影響を最小限に抑えるdPCR機能により、複雑なマトリックスサンプルに最適です。
  • マルチプレックス化と8プレートシステムにより、ハイスループットを実現
  • パーティショニングによるバックグラウンドの低減により、稀なGMOイベントを確実に検出

細胞集団をバルク解析する従来の方法に比べ、シングルセル解析では、単一細胞レベルでデータを入手できるため、細胞の異質性、生物学的機能、作用、疾患の発生機序をより深く理解するのに役立ちます。PCR、qPCR、次世代シークエンシング(NGS)などシングルセル解析に一般的に使用される方法では、目的とするターゲットの検出に必要な感度を満たさないことがあります。

デジタルPCRは、新たに頭角を現したシングルセル解析のための手法です。費用対効果が高く直感的で正確なdPCRプラットフォームで、ハイスループット、高感度な検出能、精度を備えています。

シングルセル解析にナノプレートdPCRを使う利点
  • 物理的なパーティショニングはドロップレットより安定的で、正確さにきわめて優れる
  • プローブベースの検出なので、最小限の最適化を施すだけで、1回のdPCR反応で最大12個のターゲットのマルチプレックス化が可能
  • 正確な結果により、低存在量のターゲットや多コピーターゲットをシングルセルレベルで解析可能

遺伝子発現をシングルセルレベルで解析するためのマルチプレックスデジタルPCR

シングルセル遺伝子発現解析では、細胞集団の平均出力ではなく、個々の細胞の異質性を捉えることができます。一般的なPCRおよびNGSベースの手法を用いたトランスクリプトーム解析では、低存在量のシングルセルターゲットの検出に必要な感度が不足することがよくあります。デジタルPCRは、RNAターゲットを絶対定量化に最も適した方法であり、ターゲット遺伝子の発現のわずかな変化をシングルセルレベルにまで掘り下げて研究できます。このアプリケーションノートでは、培養細胞における遺伝子発現のハイスループット解析のために、高精度のシングルセル分離とナノプレートベースのdPCRを組み合わせたワークフローについて説明します。

ジンクフィンガー(ZFN)、転写活性化因子様エフェクター(TALEN)、 クラスター化した規則的な間隔の短い回文配列リピート(CRISPR)などのヌクレアーゼを使用して、任意の細胞のゲノムを編集します。このような ヌクレアーゼは、部位特異的DNA二本鎖切断(DSB)を生み出し、これらのDSBは、不正確で エラーが発生しやすい非相同末端結合(NHEJ)(ドナーテンプレート/正確な点突然変異)または、ターゲットの突然変異誘発につながる経路である相同性誘導 修復(HDR)(欠失/インデル/挿入)によって修復されます。その結果、不均一なインデルエラーと、さまざまな対立遺伝子編集頻度を有する混合細胞集団 ができます。次に、目的の遺伝子座におけるゲノム編集 頻度を測定します。 クローン細胞株はシングルセルを分離し、ゲノム編集イベントを確認するために 検証します。

ゲノム編集検出にナノプレートdPCRを使う利点(CRISPR-Cas9)
  • 0.5%の頻度で存在する編集イベントを検出できる高感度
  • わずか5 ngのトータルgDNAから編集イベントを絶対定量
  • クローン集団におけるホモ接合性編集とヘテロ接合性編集を識別可能

次世代シークエンシングによるライブラリーの定量は、フローセルを最大効率で使用するための重要なステップです。NGSライブラリーのロード量が多すぎたり、少なすぎたりするとライブラリーを正確に定量できず、データの出力と品質に悪影響を及ぼすことが証明されています。NGSライブラリープールの絶対濃度の測定にデジタルPCRを使用すると、最適な収率が得られ、サンプル当たりのコストを下げることに大いに役立ちます。

NGSライブラリーの定量にナノプレートデジタルPCRを使用する利点
  • 増幅可能なライブラリーフラグメントを、増幅バイアスや標準バイアスなしで2時間で絶対定量できるため、日常的なテストに適しています。
  • ライブラリープーリングで高い再現性と優れた均一性を確保し、1つのアッセイでIlluminaライブラリーの全種類に対応

ウェビナー:ナノプレートデジタルPCRを用いた、NGSライブラリーの正確な定量

完全な機能が発揮できない状態でNGSフローセルを使用すると、次世代シークエンシングに長い時間がかかり、費用もかさむおそれがあります。ローディングの諸問題の原因として一番多いのは、ライブラリーの不正確な定量です。このウェビナーでは、平均フラグメント長や組成に関係なく、デジタルPCRを用いてNGSライブラリーを正確に測定する方法について説明します。

Actomeのタンパク質間相互作用カップリング(PICO)テクノロジーは、QIAcuityデジタルPCRシステムを使用することで、タンパク質単体およびタンパク質間相互作用を検出・定量するための非常に汎用性が高く感度の高いアプローチを提供します。PICOテクノロジーは、タンパク質の複雑な状態をDNAバーコードに変換し、dPCRを使用することで増幅および検出を行います。これは、細胞経路の調査、タンパク質バイオマーカーの探索、医薬品研究のための画期的なアッセイの開発、マルチオミクス解析に特に有用です。

タンパク質検出にナノプレートdPCRを使う利点
  • dPCRを使用してタンパク質を定量化する市場で唯一の技術
  • タンパク質、タンパク質間相互作用、翻訳後修飾を単一細胞レベルで検出

タンパク質間相互作用カップリング(PICO)テクノロジーとdPCRを用いて、生物学的サンプルからタンパク質およびタンパク質間相互作用を単一分子感度で測定する方法

PICOテクノロジーについて詳しく説明します。完全なワークフロー、QIAcuityデジタルPCRをどこで使用するか、ウェスタンブロット、共免疫沈降と比較したPICOアプローチの利点を取り上げます。

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