カタログ番号 / ID. 56604
QIAamp DNA FFPE Advanced Kitは、キシレンを使用せず洗浄不要の脱パラフィン処理、二重溶解プロトコール、UCP(Ultra-Clean Production)スピンカラム技術を採用し、FFPE組織からの高品質DNAの回収率を向上させます。
キットのオプションであるUNG処理を使用して、核酸のC→U変異を除去し、NGS解析に最適なDNAの回収を実現します。
QIAamp DNA FFPE Advancedプロトコールは、QIAcube Connectを使用して自動化することもできます。>
FFPE DNAの定量化の特徴の1つは、方法によって結果が異なることであり、高いUV-vis値や蛍光分析値が示されても、必ずしもPCRのパフォーマンスが良いとは限りません
real-time PCRや定量PCR(qPCR)はFFPEにおいて最も一般的なダウンストリームアプリケーションの1つであるため、QIAamp DNA FFPE Advanced KitsはqPCRに最適化されています。
UV-vis測定や蛍光分析で得られた値に関係なく、QIAamp DNA FFPE Advanced Kitは、他の試験済み製品と比較してqPCR定量において一貫して優れたPCRパフォーマンスを示しました(図「 PCRパフォーマンス向上のために最適化」を参照)。
QIAamp DNA FFPE Advanced UNG Kitは、脱アミノ化シトシンに起因するFFPE材料で一般的に発生する人工C→T/G→A変異の問題に対処できるため、NGS解析で使用するDNAの精製にも適しています(「 人工C→T/G→A変異」を参照)。
DNA分離の際にUNGを用いたウラシル処理を行うことで、QIAamp DNA FFPE Advanced UNGプロトコールはNGSにおける一塩基変異(SNV)の偽陽性を減少させます(図「 人工C→T | G→A変異の劇的減少を参照)。
FFPE組織からDNAを回収する際には、次の3つの大きな課題があります。
QIAamp DNA FFPE Advanced Kitは、限られたサンプル入力からDNA収量を最大化するために、2つの方法を採用しています。
クロスリンク除去により増幅可能なDNAの回収率がさらに向上します(図「 PCRパフォーマンス向上のために最適化」を参照)。
2回目の溶解前に行うオプションのUNG処理により、脱アミノ化シトシン由来のアーチファクトが除去され、その結果、NGS解析に特に適したDNAが得られます(表「 NGS用に最適化」と図「 高い信頼性のdPCRとNGSの結果」および「 人工C→T | G→A変異の劇的減少」を参照)。
QIAamp DNA FFPE Advancedのプロセスは簡略化された脱パラフィン工程、脱架橋結合とオプションのアーチファクト除去を挟んだ2回の溶解工程、標準的な結合・洗浄・溶出工程で構成されています(図「 QIAamp DNA FFPE Advancedのワークフロー」を参照)。
QIAamp DNA FFPE Advanced Kitを使ってFFPEから取得したDNAはPCR、dPCR、NGSにすぐに使えます。また、−30°Cから−15°Cで保存することもできます。
QIAamp DNA FFPE Advancedのプロセスでは、キシレンやその他の溶剤の代わりにDeparaffinization Solutionを使用することで、複数回の洗浄工程を繰り返すことなくパラフィンを除去することができます。
溶解はProteinase Kを用いて行います。90℃で1時間熱処理を行うことでクロスリンクを除去でき、アーチファクトはUNGを用いて除去できます。
次にRNAを分解し、その後DNA回収率を向上させるためにサンプルを2回目の溶解処理を行います。
DNAはQIAamp UCP MinEluteスピンカラムに結合し、Buffer AW1、Buffer AW2、エタノールを使用して汚染物質が洗浄され、その後DNAはBuffer ATEに溶出されます。

| 特徴 | 仕様 |
|---|---|
| Applications | PCR、デジタルPCR、次世代シークエンシング |
| Elution volume | 20~100 µL |
| Format | スピンカラム |
| Main sample type | ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)の組織サンプル |
| Processing | 手動またはQIAcube Connectによる自動化 |
| Purification of total RNA, miRNA, poly A+ mRNA, DNA or protein | ゲノムDNA |
| Sample amount | 組織の選択、各切片の厚さ5~10 µm、総容量4 mm3 |
| Technology | シリカテクノロジー |