QIAGEN 陰イオン交換樹脂

QIAGEN plasmid kit anion-exchange tips
QIAGEN 陰イオン交換樹脂を用いたプラスミド精製の簡便化
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QIAGEN-tip内に充填されているユニークな特許済み陰イオン交換樹脂は、超遠心操作やHPLC/FPLCあるいはCsClのような高価な機器や試薬を必要としません。またフェノール、クロロホルム、エチジウムブロマイドのように毒性があり変異誘発性の化学物質も必要ありません。QIAGEN Resinによるプラスミド精製は、DNAバックボーンの負に荷電したリン酸基と樹脂表面にある正に荷電したDEAE基の相互作用を利用しています (図 "QIAGEN Resinの正に荷電したDEAE基の化学構造")。DNAがカラムに結合するか、あるいは溶出するかは、使用するバッファーの塩濃度およびpH条件により決まります。QIAGEN Anion-Exchange Resin は荷電密度が非常に高いという重要な利点をもっています。樹脂は、100 µmの粒子サイズ、大きなポアサイズ、親水性の表面をもつ均一なシリカビーズにより構成されています。表面面積が広いのでDEAE基の密集した結合が可能です。プラスミドDNAは広範囲の塩濃度でDEAE基へ強く結合します (図 "中性pHでのQIAGEN Anion-Exchange Resin による核酸分離")。RNA、タンパク質、炭水化物、低分子の代謝産物などの不純物は中濃度の塩バッファーによりQIAGEN Resinから洗浄除去され、一方、プラスミドDNAは高濃度の塩バッファーで溶出されるまでカラムに結合しています。QIAGEN Resinに使用できる塩濃度は0.1 M~1.6 Mと非常に広くなっています (図 "中性pHでのQIAGEN Anion-Exchange Resinによる核酸分離")。DNAは、RNAやその他の不純物から効率的に分離されます。一方、従来の陰イオン交換はセルローズ、デキストラン、アガロースをベースにしており、塩濃度はわずか0.4 Mまでに限られているため、すべての物質の結合と溶出は非常に狭い塩領域に限定されます。すなわちタンパク質、RNA、DNAの溶出ピークは広範囲に渡ってオーバーラップし、十分な分離が行なえません。このように、QIAGEN Resin は使い易いだけではなく、分離と精製に関する品質は従来の陰イオン交換樹脂を上回るものです。
純度と生物学活性 
容量および回収率 
安定性 
バッファー
純度と生物学活性 
QIAGEN Resinで調製した核酸は、CsCl密度勾配精製法を2度行って調製した核酸と同等あるいはそれ以上の純度を有しています。QIAGEN-tipを用いて調製したDNAは制限酵素エンドヌクレアーゼ、ポリメラーゼ(Taq DNA polymeraseを含む)、DNAリガーゼ、ホスファターゼ、キナーゼなどでテストされています。トランスフェクション、トランスフォーメーション、シークエンシング、クローニング、in vitro転写および翻訳のようなアプリケーションで最適な効果が得られます。

容量および回収率
QIAGEN-tipの名称は、精製したpUC18 DNAを用いて決定した二本鎖プラスミドDNAのカラムへの結合容量(μg)を示しています。例えばQIAGEN-tip 100のプラスミドDNA結合容量は100 μgです。QIAGEN Resin は様々な核酸分類用に多種の結合容量を持っています。たとえばRNA用QIAGEN Resin はプラスミドDNA用の約2倍の結合容量を持っています。一方、ラムダファージ、コスミド、ゲノムDNAのような大きいサイズの核酸では、プラスミドDNA結合容量よりわずかに低くなります。QIAGEN Resinの結合容量と調製される核酸サイズの関係は、予想される収量を計算する際に考慮しなければなりません。

安定性
QIAGEN Resin は平衡化後6時間まで安定です。6時間以上たつと、樹脂の分離特性は変化し始め、効果がなくなります。最初の溶出後、Buffer QBTでQIAGEN-tipを再平衡化して6時間以内に同じサンプルでもう一度使用できます。QIAGEN Resin はSDSのような陰イオン性界面活性剤の存在下あるいはpH 4.0以下では機能しません。

バッファー
QIAGEN Resinの結合、洗浄、溶出条件はpH に強く影響されます。図 "QIAGEN Resinからの各種核酸溶出の際のpHと塩濃度の関係" には様々なタイプの核酸溶出に必要な塩濃度に及ぼすpHの影響を示しています。ある塩濃度でバッファーが適切なpH値から外れると、目的の核酸のロスが生じます。MOPS、リン酸ナトリウム、Tris•Clおよび酢酸ナトリウムのようなバッファーは指示されたpHで使用します。MOPS (3-[N-morpholino]propanesulfonic acid, pKa 7.2)はpH 7.0でリン酸ナトリウム、Tris•Clおよび酢酸ナトリウムよりも強い緩衝作用を持つためにQIAGENプロトコールではよく使用します。SDSやその他の陰イオン性界面活性剤は、陰イオン交換基との競合により核酸がQIAGEN Resinに結合するのを阻害します。サンプル調製にSDSを使用する際は、カラムにアプライする前に酢酸カリウム沈殿あるいはアルコール沈殿のステップにより、サンプルからSDSを除去します。SDS除去は本マニュアルに記載されているQIAGENプロトコールに組み入れられています。


画像
Chemical structure of positively charged DEAE groups of QIAGEN Resin
QIAGEN Resinの正に荷電したDEAE基の化学構造
QIAGEN Resinの正に荷電したDEAE基と、樹脂と相互作用するDNAバックボーンの負に荷電したリン酸基の化学構造
Separation of nucleic acids at neutral pH on QIAGEN Anion-Exchange Resin
中性pHでのQIAGEN Anion-Exchange Resin による核酸分離
Elution points of different nucleic acids from QIAGEN Resin as a function of pH and NaCl concentration
QIAGEN Resinからの各種核酸溶出の際のpHと塩濃度の関係